二人三脚で活用方法探る

 カメラを他の用途に利用できないか──。2007年に実用化した性別・年齢層を自動判別するシステム「FieldAnalyst(フィールド アナリスト)」。発売前に展示会やショールームでお披露目した。反響はあったが、他社への導入実績や計数器を使った調査との投資対効果などを気にしているユーザー企業が多く、販売には苦労した。

 「こういう新しい製品の商談成功率は、当然ながら実績のある製品に比べて低い」と、豊嶋英生・VALWAYテクノロジーセンター 市場開発グループ 事業開発マネージャーは苦心談を語る。価格設定も悩みどころだった。「計数器による手調査や、自動人数カウントシステムなどとも比較しながら、妥当な価格帯を探った」と振り返る。


 最初のバージョンでは人数カウントの機能が搭載されていなかったこともネックとなった。販売前にフィールドテストと併行して、製品の紹介活動も逐次行っていたが、「人数カウント機能があれば導入するのに」という声が多かった。性別、年齢比率がわかっても分母となる人数が明確でなければ、比率の信ぴょう性に問題が出てくるからだ。


 こうした要望があることが分かっていたので、先行して人数カウントの開発を開始し、08年10月に「FieldAnalyst Ver2.0」に組み込んで発売した。


 「FieldAnalyst」の特徴はカメラの前を通った人の性別・年齢層を瞬時に推定しデータ集計する。また、「FieldAnalyst」が導入されている施設なら、複数の地点で調査を行い、比較することも可能。人の目では判別にぶれが出るが、機械がルールに基づいて瞬時に判断するので、常に基準が一定であることも強みだ。


 人数カウントに加え、「Ver2.0」で強化したのは、インストールレスにし、ブラウザで集計データを参照する方法に切り替えたところだ。また、検出機能を強化し、顔に加え、人物の上体検出も行うことで精度を向上させた。「人による調査では、年齢推測などの精度は7割弱。だが『Field Analyst』は、性別の判別精度が9割以上、年齢層は6~7割の精度で判別できる」(金子賢一・VALWAYテクノロジーセンター 研究開発マネージャー)と話す。


 豊嶋マネージャーは「このシステムを使って特定ゾーンの滞留属性データをとるなどが考えられる。まずはユーザー企業にトライアル導入してもらうことにより、どう業務に生かすか、二人三脚で探っていきたい」と展望を語る。同社は3年間で16億円の売り上げを目指している。(鍋島蓉子●取材/文)