年頭所感

【2009年 年頭所感】 IT企業トップの「決意」と「実行計画」 エクサ

2009/01/05 20:37

週刊BCN 2009年01月05日vol.1266掲載

天城施策の実現

大水一彌 社長


 増収増益基調に戻ってきた。2006年度(06年12月期)に減収減益に甘んじた当社は「天城施策」と名づけた改革を実施。07年度は増益に転じ、08年度は増収増益に着地したと見ている。同施策は、伊豆にある日本IBMの研修施設「天城ホームステッド」に幹部が集まり、集中的に討議したもの。成長力、収益力、人間力の3カテゴリーに分け、総計52項目の詳細な改善策を実施してきた。

 成長力では重点顧客に経営資源を投入し、収益力では赤字プロジェクトを抑止。赤字プロジェクトは3年前の40分の1に縮小した。人間力ではコミュニケーションスキルやチームワークなど多角的な研修を増やし、社員のモチベーションを高めてきた。08年後半は実体経済の悪化が一気に表面化したものの、当社は天城施策の3つの軸を貫いたことで業績を伸ばした。

 ただ、増収増益の基調は堅持したものの、売り上げの伸びが鈍ったのは事実。ユーザー企業のコスト削減要求も強まっている。日本IBMとJFEスチールの合弁会社である当社は、製造業や金融に強みを持ち、IBMグループの海外オフショア開発のリソースも活用できる。08年度は品質管理などに手間取り、海外オフショアは年間で約100人月と前年度比で半減してしまった。09年度はインドや中国の開発リソースを年間500人月規模へ拡大させる予定。顧客ニーズに応えていくことでビジネス拡大を目指す。
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