年頭所感

【2009年 年頭所感】 IT企業トップの「決意」と「実行計画」 オービックビジネスコンサルタント(OBC)

2009/01/12 20:37

週刊BCN 2009年01月12日vol.1267掲載

変化の潮目

和田成史 社長


 2009年は「金融不安」による経済への急激な圧迫で、時が経つにつれてIT投資を含めた投資環境の厳しさが顕著になる。そのなかで、経済の収縮による「現実の厳しさ」とクラウドコンピューティングやNGN(次世代ネットワーク網)などが現実味を増してくる「新しい変化」が共存する年になる。当社に限らずITベンダーは各社各様に、この二つの流れをどう「舵取り」して“荒波”を乗り越えるかが問われる1年になるだろう。

 そういう意味では「新しい潮流」に直面する「変化の潮目」に突入する年となろう。「ものづくり」「社会貢献」など、社会に対していかに付加価値を与えるかという原点に戻ったともいえる。これまで何度となく潮目を経験したが、大事なことは顧客満足度にフォーカスしていれば、顧客が「その道」を教えてくれるということだ。

 当社は、30~40万社の顧客を抱えている。顧客を大切にしながら、販売パートナーと「三位一体」の展開をするという原点に立ち返る。

 春の来ない冬はない。1993年当時にオフコンがなくなりつつある厳しいなかでも、Windowsで突破口が生まれたように。

 かつてバブル経済が崩壊したあとには、国内企業はITの活用に目を向け、それによって生産性の向上や業務効率化などを進めてきた。「金融不安」のあとに、投資環境が改善すれば、産業界は必ずITテクノロジーに注目するはずだ。今こそ、その準備をしておかなければならない。
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