解剖!メーカー流通網

<解剖!メーカー流通網>1.NEC 販社との強力なエコシステム

2009/01/19 20:45

週刊BCN 2009年01月19日vol.1268掲載

4ルート、約370社の販社で流通

 NEC(矢野薫社長)の法人向けPC流通・販売網は、多くの販売パートナーとともに成り立つ。日本市場で長年コンピュータ機器を販売していたからこそ構築できる販売網で、直販主体の一部外資系メーカーのそれとは大きく異なる。

 NECは、PCの製造・販売を手がけるNECパーソナルプロダクツから製品を調達。主に4ルートでユーザー企業・団体にPCを届ける。NECパーソナルプロダクツも販売業務を手がけるが、コンシューマ向けがメインだ。同社の一部では、「プラットフォームパートナー(PFP)」と呼ばれる法人市場向け販社も組織し、PFP経由の間接販売と直販により法人市場にもアプローチするものの、NECの法人向け全PC販売台数のうち10%にも満たない。


 NECの販売ルートは(1)販売パートナー(2)ディストリビュータ(3)NECの営業担当者による直販(4)NECのWebサイト「Direct Plus」などからの直販――の4ルート。ディストリビュータの下には、2次系販社がぶら下がる構図だ。同社から直接製品を調達する販売パートナーとディストリビュータは約370社。(3)のルートを経由するのは一部の大手企業で、(4)は全体の2-3%に過ぎない。Web直販は数年前、デルの攻勢で一世を風靡したが、「現在は市場自体が縮小傾向。NECは販売パートナーを重視しているので、(Web直販に)積極的ではなく広告塔としての意味で展開している」(NECビジネスPC事業部)。つまり、大半のPCは(1)(2)のルートを経由してユーザーに流れる。販売パートナーとの強力な“エコシステム”が生命線というわけだ。


 今年はPC販売も苦戦しそうだが、「台数がそれほど出ない小案件のフォローにも力を注ぐ」(同)。作成したばかりのリース会社とのアライアンスプランを、販売パートナー経由で売ってもらう仕組みを構築中で、エコシステム重視の姿勢は崩さない。(木村剛士)

 

  • 1