IBM製品の調達コストを削減

 日本IBMの流通網の最大の特徴は、系列のディストリビュータを自前で抱えていることだ。他のメーカーは、例えばダイワボウ情報システムなど大手ディストリビュータを通じて製品を販売することが多いが、日本IBMでは付加価値ディストリビュータ(VAD)と呼ばれる独自のディストリビューション網を築いている。

 VAD事業を手がけるのは、JBグループのイグアスや日本情報通信(NI+C)など。VADが登場する数年前までは、日本IBMの一次代理店約200社に直接商材を卸してきたが、今はVADを経由する体制へと移行しつつある。VADはIBM製品だけでなく、レノボ製のパソコンやリコー系のプリンタなど、かつてIBMが他社へ売却するなどしたハードウェア商材も幅広く扱う。このため、ビジネスパートナーは情報システムの構築に必要な商材を一括してVADから仕入れることで調達にかかる手間やコストを削減できるメリットがある。


 もう一つ見逃せない点は、IBM独自アーキテクチャのサーバー「Power Systems」の存在である。同サーバーシリーズは、オフコン全盛期に大ヒットした旧AS/400の流れを汲む旧iシリーズ、UNIXサーバーの旧pシリーズが2008年4月に統合して生まれた製品で、基幹業務システムに強いIBMらしさを色濃く反映されている。独自OSや開発言語も一部に残っており、こうした商材を扱えるのは熟練度の高い古参のIBMビジネスパートナーがメインになる。JBグループは旧iシリーズを得意とし、NI+Cは旧pシリーズに強く、両社の持つノウハウが現行のPower SystemsのVAD経由での拡販に大いに役立っている。ビジネスパートナーは、IBM製品の専門的な知識をVADに求めており、VAD側もIBM製品に最適化したきめ細かいサポートを提供している。一方、汎用的なPCサーバーのxシリーズは、VADのみならず、他のサーバーメーカーと同様に大手ディストリビュータ経由で広く販売する傾向がみられる。(安藤章司)