共通EDIプラットフォームを活用

 名古屋市に本社を置く建設業の中部土木(内藤秀樹社長)は、オープンな共通基盤を活用したEDI(電子データ交換)システムを採用。特定のベンダーに依存することのないEDIにより、ビジネスパートナーである協力会社を含めた業務の効率化に取り組んでいる。

 EDIは、企業間の受発注を電子化する重要なシステムだ。大手ゼネコンでは早くから独自のEDIシステムの開発に取り組んできたが、中堅・中小の建設業界では紙やFAXによる受発注が依然として多くを占めるのが実情である。主に土木分野を得意とする中堅の中部土木は、ビジネスパートナーからも理解を得られるオープンなEDIを設計・導入し、関係先への普及を促進している。

 中部土木はかねてから受発注の電子化に頭を悩ませていた。ビジネスパートナーとのやりとりが紙・FAXでは、この部分がボトルネックとなって、業務の効率化が妨げられる。自社内のIT化をいくら推進しても、限界があるというわけだ。解決の糸口を求めて県や市などが出資する名古屋ソフトウェアセンターに相談を持ちかけたところ、ITコーディネータの水口和美氏を紹介された。NPO法人「建築市場研究会」の建築資材に関するサプライチェーンの勉強会にも参加。EDIの課題について検討を進めた結果、おおよその問題点がつかめてきた。

 EDI普及の最大の妨げになっているのは、規格の不統一だ。中部土木は約100社のビジネスパートナーと取り引きしているが、そのパートナーは当然ながら中部土木とだけ取り引きしているわけではない。業態に応じてさまざまな業者と取り引きする企業に、中部土木が独自にEDI仕様を提案しても、なかなか採用してもらえない。大手ゼネコンは、独自の受発注ルールに基づいたEDIを開発するケースがあるが、「大手・準大手同士の取り引きに限られている」(水口ITC)のが実情である。

 同社のビジネスの内訳をみると、国や自治体、電力会社などからの元請けの仕事が売り上げ全体の約9割を占める。ゼネコンとの取引比率は小さく、結果的にEDIの活用頻度も低かった。ビジネスパートナーのなかには、家族経営に近い業態のところもあり、専用のシステムを導入するなどの先行投資の負担を求めにくい側面もある。そこで、水口ITCの助言や建築市場研究会の勉強会などを通じて得た回答の一つが、「EDIの共通プラットフォームを活用する」(難波陽一副社長)という手法だ。

 共通EDIプラットフォームには、経済産業省などが支援する共通XML/EDI実用化推進協議会(COXEC=コゼック)の基盤を採用した。XMLなら、インターネットや通常のブラウザソフトなど既存のITインフラ上で動作する。「ビジネスパートナーの負担も軽い」(同)と判断したのだ。