解剖!メーカー流通網

<解剖!メーカー流通網>23.米PGP 存在感示す販売パートナー

2009/07/06 20:45

週刊BCN 2009年07月06日vol.1291掲載

数は少ないが、市場を網羅

 暗号化製品・ソリューション大手の米PGPは、PCのHDDやメールを暗号化するソフト・ソリューションの開発・販売事業を世界178か国で展開。暗号技術専業のソフトメーカーである。顧客数は11万企業・団体以上。その日本法人である日本PGP(北原真之代表取締役)は、2005年に設立された。歴史は浅いが、三井住友銀行や東京大学など有名企業・団体への納入実績があり、販売・流通網はすでに確立されている。

 日本PGP製品の流通経路はそのほとんどが間接販売で、1次代理店を通じてユーザー企業や2次販社に届く。1次代理店の顔ぶれは、(1)アクト・ツー(2)日本IBM(3)日本システムディベロップメント(NSD)(4)マクニカネットワークス(マクニカ)(5)ペンティオの5社となっている。


 NSDは、金融とサービス、そして製造業に強い老舗SIer。西日本地域に多くの事業所をもっていることも特徴だ。1次代理店として最も古いパートナーでもある。そしてセキュリティやネットワーク機器の販売が得意なマクニカ、PKI(公開鍵暗号基盤)を活用したソリューション開発・販売で存在感があるペンティオ。2008年12月には、日本PGPの暗号ソフトがMacに対応したことで、Mac関連製品の販売に強いアクト・ツーを加えた。


 日本IBMは、米PGPと米IBMがグローバルレベルで販売に関する協業体制を構築したことで、今春から日本PGP製品を販売するようになった。ISS事業部が中心になって、日本IBMのユーザー企業・団体ほか、同社が抱えるパートナーにも提案活動が進んでいる。


 1次代理店は決して多いわけではなく、ユニークな販売チャネル網でもないが、個性あるITベンダーと大手コンピュータメーカーを販売パートナーとして取り込んでいることで、市場を網羅し、マーケットを幅広く攻めることができる流通網を築いている。(木村剛士)

 

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