総合力で新しいビジネスに挑戦

富士通エフサス　関根英雄 社長

　営業活動だけでなく、このような時期（商談数が少ない）を好機とみて、景気が上向きの時ではなかなか手をつけられない、社内の体制強化にも取り組んできたのが2009年だった。業務スピードや生産性、サービス品質向上のための施策を打ち、力を蓄えてきた。

　経済不況の影響で、09年度上期は厳しい状況が続いた。当社が強化分野としている運用サービスは、2ケタ成長を目指していたが、プラス成長ではあるものの、それには届かなかった。しかしながら、回復の兆しは感じており、ユーザー企業・団体のIT投資は2010年度第1四半期から戻ってくると感じている。

　2010年度（11年3月期）は、次のステップに向けて、伸びる分野にパワーを集中させて動きだす時期と位置づけている。引き続き運用サービスを強化しながら、クラウドに本格的に取り組む。まずは自社で構築し体感するため、プライベートクラウド構築に着手する。当社には関連会社を含めて約1500台のサーバーが点在しており、プライベートクラウドを構築することで、台数を3分の2に削減させると試算している。また、サーバー統合や仮想化技術の研究を含めたクラウド事業を推進するための専門部隊も立ち上げたいと考えている。

　10年度は前半までは厳しい時間が続くかもしれないが、富士通エフサスがもつインフラ構築から保守・運用までを手がける総合力を生かして、新しいビジネスに挑戦する。