IT経営コーディネート 企業活性化にITCの妙手

<「IT経営」コーディネート 企業活性化にITCの妙手>132.イワセキ(中)

2010/04/01 20:45

週刊BCN 2010年03月29日vol.1327掲載

車番自動認識システムを生かす

 岩手県を本拠地とするイワセキでは、地元のSIerであるアイディーエスにコンサルティングを依頼してIT化に向けた取り組みを進めることになった。同社がIT化を図る最大の目的は、SS(サービスステーション)や自動車整備工場の連携など、新提案の「トータルカーケア」を追求したビジネスモデルを創造することにある。そのために、最終的に全社システムの統合を実現したいと考えている。アイディーエスでは、イワセキからの依頼を受け、昨年9月にIT化に向けたプロジェクトチームをイワセキ社内に設置することをアドバイス。そのなかで、IT化を図るために既存システムを有効活用することが最適と判断している。そのシステムというのが、同社がSSで導入している自動車のナンバーを自動で認識するシステムである。

 このシステムは、車番認識モジュールを搭載したSS向けの販売支援情報システム「NXEYES(エヌエックス・アイズ)」。何社かのITベンダーが共同で開発して製品化したものだ。SS内に設置した固定カメラで、常に給油レーンを監視し、カメラが写した画像からナンバープレートを解析する。「接客の必要がある顧客」とシステムが認識すると、「NXコールウォッチ」と呼ばれる腕時計型の端末に知らせる。この端末をつけているSSのスタッフは、バイブレータ機能で新規顧客やリピーターが来店したことを把握できるほか、液晶ディスプレイに送られてくるレーン番号と顧客のSS利用履歴によって、顧客に合ったメニューを提案できるようになる。顧客ごとのナンバープレートをシステムが自動的に識別してデータベース化できることや、スタッフがSS内にいながら積極的な販売活動ができるという利点があり、スタッフが少ないセルフSSを中心として導入が進んでいるという。

 イワセキでも、セルフSSで導入したことで「車検や修理などで当社を利用した顧客に対して、声をかけたり状況を聞くなどで顧客満足度が向上している。また、車検が切れそうなタイミングで提案することや、SSは常連だが整備工場を利用していない顧客に提案するなど、客単価を引き上げることにもつながっている」と、イワセキのSS運営の責任者である高橋昭義・SS統括部長はアピールしている。高橋部長は、IT化に向けたプロジェクトチームのメンバーでもあることから、「このシステムを生かした社内システムのリプレースにより、業績が伸ばせる企業体質に改善していきたい」考えを示す。ITコーディネータとしてコンサルティングに携わったアイディーエスの福田清男・ビジネスシステム本部取締役本部長も、「今後のIT化に欠かせないシステム」と捉えている。そのため、IT化に向けたプロジェクトチームでは同システムを有効活用することが議論されたのだった。(つづく)

イワセキでは、SS(サービスステーション)に車番自動認識システムを導入しており、顧客満足度の向上を追求している。
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