解剖!メーカー流通網

<解剖!メーカー流通網>63.バラクーダネットワークスジャパン ウェブセキュリティを広める 調査研究部門の活動を本格化

2010/05/06 20:45

週刊BCN 2010年05月03日vol.1332掲載

 バラクーダネットワークスジャパン(ナイル・キング社長)は、国内市場でウェブセキュリティ製品を拡販することに力を入れ始めた。ワールドワイドでセキュリティ関連の調査研究部門「BARRACUDA LABS」の新設し、2010年から活動を本格化させた。同部門で調査した結果をもとにして、信頼性を高めることや製品強化につなげることでウェブセキュリティ関連事業の拡大を図る。

 国内でバラクーダのブランドは、ロードバランサー市場で知名度が高い。30万円台からと、他社と比べて低価格であることを武器に、さまざまな業界でSMB(中堅・中小企業)を中心にユーザー企業を獲得している。セキュリティ関連でもファイアウォール製品がシェアを高めている状況。「ウェブアプリケーション」の分野で4割程度を確保しているとの見方がある。「スパム&アンチウイルス対策」では、2割を占めているといわれている。販社数については、現時点で30社程度に達している。ワールドワイドでの売上高は、「昨年度(09年12月期)に前年の3.5倍に伸びた」と、米国本社のディーン・ドラコ会長兼CEOは自信をみせている。加えて、日本市場でも「ワールドワイドほどではないものの、成長を続けている」と、堅調にビジネスが推移していることをアピールしている。

 このように順調にビジネスを展開している同社が、ウェブセキュリティ関連ビジネスでさらに拡大を図ろうとしているのは、「安価という点から他社製品と比べると信頼性の点で劣るとみられるケースがある」ことが背景にある。信頼性を高めるために調査研究部門を本格化、調査した結果をもとに製品機能の強化を図ることに踏み切ったわけだ。

 「ウェブセキュリティの脅威を周知させなければならない」と、ドラコ会長兼CEOは訴える。調査関連はビジネスとして手がけずに、あくまでも情報提供という形で販社やユーザー企業に広めていく。(佐相彰彦)

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