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<活躍する「企業内ITC」の素顔>ITコーディネータ協会 10周年、節目のカンファレンスを開催

2010/09/09 16:04

週刊BCN 2010年09月06日vol.1348掲載

 ITコーディネータ協会(関隆明会長)は「ITC Conference 2010」を、8月27日と28日の2日間、東京プリンスホテルで開催した。

関隆明会長
 2010年、ITコーディネータ協会にとっては、ITC制度創設10周年の節目となる記念すべき年である。カンファレンスでは「ITコーディネータの市場創出と実践力ある人材育成」をテーマにSaaS・クラウド、モバイル関連のような新しいIT利活用の動向、中小企業IT経営力大賞の事例紹介などが行われた。

 ITコーディネータ協会では昨年度半ばから5年間の中期計画策定に取りかかり、今年、その初年度を迎えている。イベント冒頭の挨拶で関会長は「体系の見直しを行い、新しい中期計画により、新たな道を切り開いていきたい」と力強く来場者に訴えた。

 ITコーディネータのビジネスを拡大するために、ITコーディネータの実践のための知恵をあわせもったスキルを体系化して、周知徹底するとともに、ITコーディネータの活動を自治体、医療、教育、農工商連携に広げること。また、情報発信を強化し、マーケティングとビジネスマッチングを拡大、ITコーディネータ協会自らが前面に立って、ITコーディネータのビジネスチャンスを広げる方針だ。

 また、開催に当たって、経済産業省の商務情報政策局長の石黒憲彦氏が登壇し、挨拶を行った。インターネットの急速な発展により、情報通信インフラコストが下がり、クラウドコンピューティングという新しい潮流が生まれている。このクラウドコンピューティングの流れにより、これまで不可能だったビジネスモデルも登場している。そうした状況下で、経済産業省はクラウドコンピューティングの安心・安全な普及を通じて、便利で豊かな社会を実現するという目的のもと、「情報経済革新戦略」を打ち立てて推進している。

 「情報経済革新戦略」ではクラウド推進と合わせて中小企業のIT利活用の推進、中小企業とITベンダーの連携強化を図るという。石黒課長は「ITコーディネータが支援している中小企業においては、クラウドが進展することによって、安価で利便性の高いIT投資が可能になっている」としたうえで、「クラウドの利活用によって実現するIT経営で、産業の高度化が大きく期待されているところだ。その利便性を経営者に伝え、いかに経営革新を行っていくかといったところで、ITコーディネータの役割はきわめて大きくなっている」と述べた。

会場は満員に近い来場者で盛況
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