ジャンプの年

梶本繁昌 社長

　リーマン・ショック以降、市場の潮目が変わり、従来型のビジネスが変質してきている。システム開発ではユーザーの業種によって影響を受けている部分もある一方で、それをカバーする形で、ストックビジネスが飛躍的な成長をみせた。当社ではリーマン・ショック直後に新データセンター（DC）を開設した。圧倒的なコストメリットと小回りの利いたサービスを提供できるのが当社の強みだ。最新鋭の設備に投資を行い、そこから提供する付加価値サービスを充実させた結果、クラウドの時流に乗ってビジネスを拡大できた。

　また、BPOについてもユーザー企業のコスト削減意識からアウトソーシングの需要をくみ取ることができた。これまで当社は、拠点の統廃合などを通じて筋肉質な経営体制をつくり上げてきた。顧客サービス向けの社内システムではハードウェアが高性能、安価になっていることからシステムを刷新し、削減した分を顧客にコストメリットとして還元する。同時に、別のサービスも利用してもらえるよう、2011年はクロスセルに力を入れていく。2010年が基礎固めの時期とするなら、2011年は「ジャンプの年」だ。DCとSaaSに対しては今後も積極的な投資を行う。先般リリースしたオンライン・ストレージサービス「Cloudstore」のように業種を問わないSaaSのほかに、他社とのアライアンスにより、業種業態特有のSaaSも拡充する。自社内でSaaSなどの仕組みを利用したいというユーザーにも対応することで、幅広い要望に応えていく。