激流に流されない一年に
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| 細野昭雄 社長 |
過去に例がないほどアップダウンが激しかったのが2010年だった。4月までは、メモリやストレージ、液晶ディスプレイ、PC/AV周辺機器などの各事業の販売はまずまずの動きを示したが、夏商戦にあたる6月以降、急激に落ち込んだ。その後、10月に発表された家電エコポイント制度改定の追い風を受けて、秋にはPC/AV周辺機器が盛り返した。
iPhone以外のスマートフォンの種類が増えてきたことから、2011年は、端末の普及によって関連事業の伸長が見込める。市場動向を予測するのは難しいが、対応製品を強化していく方針だ。また、数年前から注力している地上デジタルチューナーやテレビ番組を録画できるHDDなどのAV周辺機器については、売上高全体の40%程度を確保できるよう尽力する。
AV周辺機器は、一つのジャンルとしてユーザーに認知されてきたが、製品の低価格化・コモディティ化が進んでいる。メーカーとしては付加価値のある製品を提供したいが、ユーザーは価格で製品を選ぶ傾向にある。われわれが高付加価値製品のメリットを十分に伝えきれていなかったという反省をもとに、訴求方法をもっと工夫していく必要がある。
これまで、当社の通年の売上高のピークは700億円程度だったが、ここ数年は500億円を切っている。今年はこのラインを越えることを目標に据える。