日本IBMが提供する最新テクノロジーをパートナーが利用して成功に結びつけた案件が相次いで誕生している。日本IBMのビジネスに貢献したパートナーを表彰する「IBMエクセレント・パートナー・アワードJapan2010」の受賞ベンダーには、こうした事例を多く抱えるところが多い。東京証券取引所のシステムのSOA(サービス指向アーキテクチャ)基盤を構築した協和エクシオも、そんな得意技をもつ1社である。
SOA基盤の構築で抜きん出る
 |
| 戸塚勝巳 部長 |
情報通信インフラおよび環境社会インフラのエンジニアリングソリューション、システムソリューションを事業の3本柱とする協和エクシオは、EAI(企業内データ連携)やBPM(ビジネスプロセス管理)のミドルウェアを使ったシステム開発を早い時期から手がけてきて、得意技であるSOA基盤構築の基礎を築いた。
同社は、お客様へのサービス提供を通じていろいろなベンダー製品を採用してきたが、IBMのメインフレームやMQを利用しているお客様環境において最も確実に接続性を担保できるミドルウェアとしてIBM Websphereに注力し、IBMとの関係を深めていったと言う。
その展開の最大の成果となったのが東京証券取引所の売買審査システム刷新だ。東証では、部門最適で構築された情報系システムが数多くあり、データ量の増大、複雑化する取引などに対応するための俊敏性・柔軟性の確保に課題があった。「サイロ化したシステムを単なるボックスリプレースでなく、将来の俊敏性・柔軟性を確保し全体最適に向けた刷新をテーマにしたSOA提案が採用された」と戸塚勝巳・ビジネスソリューション事業本部営業本部営業SE部門部長は経緯を語る。
同社は、複数ベンダーがからむコンペを経て、IBMの「WebSphere ESB」などを使った売買審査システム構築案件を獲得した。戸塚部長は、「IBM製品はモデリングツール、ESB、BPMまで一貫性があって使いやすい」と評価し、多くの案件を受注してきたという。
日本IBMのパートナー支援については、「技術面で専任担当者を配置してもらえる。技術サポートは、ある程度無償で対応してくれる」(戸塚部長)と利点を語る。両社は、常にお客様にとっての価値を追求しているのだ。
日本IBMのパートナーの中には、協和エクシオのようにIBM製品を使ったSOA基盤の構築に長けたベンダーが多く存在する。協和エクシオの功績は、IBM製品でSOAを作る他のベンダーの活動にも好影響を与えている。(谷畑良胤)