IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>72.トネ製作所(上) 試行錯誤の連続

2012/04/05 16:04

週刊BCN 2012年04月02日vol.1426掲載

 精密板金加工・金属プレス加工などの板金加工を手がけるトネ製作所(利根通社長)。本社は東京都荒川区にある。得意分野であるレーザー加工では、厚さがそれぞれ、鉄板で19mm、ステンレスで12mm、アルミで8mm、真鍮で3mmという高い加工能力を有している。そんな同社は、生産管理システムの導入や工数管理の徹底などを通じて、ITを経営に活かしてきた。

 「アイテム数や注文が増えてくるのにつれて、紙ベースでの管理では“うっかりミス”や“漏れ”が生じていた」。利根社長は、属人的な対応では業務に追いつかなくなっていたと振り返る。「ITのことはまったくわからない」(利根社長)という状況ながらも、金属加工業界向け生産管理システムを開発・販売するケーブルソフトウェアの製品の導入を決定。試作から量産までの一貫生産の体制を支える基盤として利用するようになった。

 しかし、ハードウェアの老朽化は避けられない。サーバーのリプレースを機に、周辺システムの見直しに着手した。その一つが工数管理の徹底だった。バーコードリーダーを利用して、作業の開始時刻と終了時刻を記録。各工程の工数を、より正確に把握できるようになった。見積もりの精度向上に加えて、見積もり時間の短縮にも寄与した。

 当初、現場からの風当たりは強かった。同社を支援した新木啓弘ITコーディネータ(ITC)は、導入メリットを理解してもらうことに十分な時間をかけて、徐々に浸透させていったという。

 このほか、帳票フォーマットを統一して作業の標準化と入力ミスを防ぎ、効率を高めた。また、フォルダ構成やファイル名称のルールを設けたり、アクセス権限についてのポリシーを策定したりするなど、システム運用を充実を図った。

 本社と物流拠点との間には、VPN(仮想プライベートネットワーク)を導入した。担当者は、物流拠点で各案件の進捗状況をリアルタイムに把握できるようになった。

 効果的なIT投資を通じて業務の効率化を成し遂げてきたが、情報システム担当者がいないこともあって、試行錯誤の連続だった。一連のプロジェクトをけん引し、成果に結びつけたのが林大地・製造部製造4課リーダーである。(つづく)(信澤健太)

プレス加工の作業シーン
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