IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>101.吉田運輸(下) 新規顧客の獲得で生き残る

2012/11/08 20:29

週刊BCN 2012年11月05日vol.1455掲載

 吉田運輸では、吉田勝治常務取締役の経営に対する強い危機感が、IT活用の原動力となってきた。ウェブサイトからの情報発信に積極的で、船井総合研究所のコンサルタントの力を借りて、問い合わせが増えるサイトづくりを心がけてきた。SEO対策を施し、「埼玉 運送業」の検索キーワードで上位に表示されるようになっている。

 ここ数年、吉田運輸を支援してきたのが阿部満・ITコーディネータ(ITC)だ。吉田常務が参加した中小企業基盤整備機構中小企業大学校の研修で講師を務めていた。SWOT分析など、経営のイロハを学ぶ研修を通じて、経営戦略に沿うIT戦略の策定とベンダー選定のためのRFP(提案依頼書)を完成させた。

 中小企業大学校の研修終了後、策定したRFPに従って開発会社を決定。阿部ITCの指導に従って早速着手したのが、自社専用の業務システムの開発だった。ウェブサイト上で、24時間いつでも見積もりと受注作業ができる自動見積もりシステムを独自開発し、今年7月、新規の荷主向けに公開した。

 吉田常務は、「これまでは、見積書を作成して荷主の手元に届くまで30分はかかった。ウェブでは5分以内で済むようになった」と満足げだ。その効果は如実に現れており、9月の見積もり件数は、前年の数件から五十数件へと急増した。

 ウェブ見積もりで捌ききれない分は他社にアウトソースすることで、コストダウンと利益拡大を図っている。現在は自社比率が約95%に上るが、「理想では5:5まで下げて、手数料を稼げるようにしたい」というのが吉田常務の考えだ。

 以前は売り上げ1億3000万円に対して、運送原価は7500万円に上っていた。現在は1億2000万円の売り上げに対して6600万円の運送原価となっており、ドライバー1人あたりの利益率が向上している。(信澤健太)

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