東京・渋谷区にある女性専門のエステティックサロン、ふじカプリス(奈良直美代表取締役)は、数人の従業員で店舗を運営している。創業以来、およそ50年の歴史をもつエステサロンで、美白やしみ・しわ防止、脱毛など、メニューは約100種類に上る。

 ふじカプリスでは、従業員が少ないこともあって受付担当者を置いていない。これまで顧客の予約情報は、従業員が紙の予約帳に記入する方式をとっていた。しかし、紙の予約帳は一覧性に乏しく、予約の空き時間の把握や、予約した顧客の名前を探し出すのに時間を取られて非効率だった。また、一冊のノートで予約を管理していたので、一人の従業員がノートに記入しているときには、他の従業員が電話で別の予約の応対をしていても、その場に予約帳がなくて予約状況を把握できない事態も生じていた。

 奈良代表取締役は、「業務効率化のために、一覧性の高いシステムの導入を考えた。しかし、汎用の美容室向け予約管理ソフトは、高価なうえに不必要な機能が多くて、当社にとって最適なものではなかった」と当時を語る。

 そこで、奈良代表取締役は、以前ホームページを改修したときに知り合った平泉哲史ITコーディネータ(ITC)に相談した。そこで、「必要な機能だけを搭載して、別の機能が必要になったら随時追加できる予約管理システムを構築するのはどうか」という平泉ITCの提案を受けて、2005年に独自システムを構築した。

 構築した予約管理システムでは、顧客の名前や、時間帯を選択するだけで、予約情報を一覧できるようにした。また、電話応対時にペンで紙に記入するのと同じ操作感を演出するため、マウス操作だけで簡単に入力できるようにした。結果として、予約管理の負担を軽減し、本業のエステに集中できるようになった。

 予約管理システムによって業務効率化に成功したふじカプリスだが、平泉ITCの役目は、一度システムを構築して、それで終わりではなかった。IT経営の支援を長期的なものととらえて、継続的に売り上げの向上につながる機能を拡張していったのだ。(真鍋武)

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