ITコーディネータ協会(ITCA、播磨崇会長)は、12月6日、中小企業のIT経営を支援するために、西武信用金庫(落合寛司理事長)と包括的連携・協力協定を締結した。これによって、西武信用金庫は、ITコーディネータ(ITC)を活用した取り組みとして、中小企業向けの「IT活用サポート事業」を展開する。具体的には、西武信用金庫の各支店でIT活用セミナーを実施する際や、取引先の中小企業が生産管理や営業力強化、新規顧客の獲得などを目的にIT活用に取り組む際に、ITCAが認定したITCを紹介して、マッチングを図る。
播磨崇会長は、「今回の連携は、全国のITCにとっては、コンサルティング案件の増加につながる」と期待している。従来、ITCAでは、中小企業向けのセミナーや研修会を行ってきたが、「その後のITCと中小企業の経営者とのマッチングがうまく進んでいなかった。ITCは、営業力にそれほど長けているわけではなく、セミナーで経営者に会っても、簡単には信頼関係を構築することができなかったからだ」(播磨会長)。その点、今回の連携では、中小企業と密接な関係にある西武信用金庫がITCを紹介するかたちなので、ITCと中小企業はこれまで以上に信頼関係を構築しやすくなる。
西武信用金庫は、「IT活用サポート事業」の開始後1年間は様子見の期間として、中小企業のニーズを見極めながら、有償/無償プランなどの具体的な内容を策定していく。当初から多くの案件をこなすことは目標としていないが、「将来的には、最低でも年間で120件の『IT活用サポート事業』を実施できると見込んでいる」(落合理事長)という。
ITCAでは、すでに6人のITCを西武信用金庫向けのアドバイザーとして認定している。今後は、案件の数や種類に応じて順次増員していく方針だ。(真鍋武)

ITコーディネータ協会の播磨崇会長(左)と西武信用金庫の落合寛司理事長