中小企業や多拠点間接続向けのルータとして、「定番商品」の地位を得ているヤマハのネットワーク製品。販売元のSCSKでは積極的な情報提供に努めている。さらに、パートナー向けの検証プログラムを用意し、スイッチなどルータ以外の機器でもヤマハ製品ならではの価値を伝えようとしている。(日高 彰)
ヤマハは2011年にスイッチ、13年には無線アクセスポイントを発売した。製品の幅が広がったことで「オールヤマハ」のネットワークインフラが構築可能となり、販売パートナーもルータ単体での提案に比べ、収益拡大のチャンスが得られるようになった。とはいえ、コモディティ化が著しいネットワークスイッチ市場に後発のヤマハが食い込むには、まずはパートナーに製品の価値を正しく理解してもらう必要がある。
SCSKは、これまでもヤマハの新製品を発売する際「検証メンバーズ」のキャンペーン名で検証機の格安提供を行ってきた。昨年9月に発売したスイッチの新製品「SWX2300」シリーズ(写真)でも、このキャンペーンを用意している。キャンペーンでは、検証機を購入したパートナー向けに既発売のスイッチ「SWX2100-8G」2台を無償で提供している。SWX2300では、ネットワーク上に存在するヤマハ機器を自動検出し、ネットワーク構成を可視化する「LANマップ Light」が新機能の目玉となっている。顧客への提案に先だって、販売パートナーが実際にネットワークを構築して新機能を試せるよう、複数の対応機器を提供しているのだ。
以前から行っている技術情報の公開では、最近はパブリッククラウドサービスへの対応に力を入れている。中小企業でも、ITインフラはオンプレミスとクラウドの両環境にまたがることが珍しくなく、会社とクラウドの間をVPN接続したいという声が増えているという。クラウド基盤の構築にあたる担当者は、サーバーの取り扱いには慣れていても、ネットワークの知識はもっていないというケースが少なくない。具体的にどのような設定を行えば社内とクラウドを安全に接続できるかという情報は、SIerやユーザーの情報システム担当者に有用なだけでなく、クラウド事業者側にとっても、ヤマハ製品ユーザーを自社のサービスに呼び込めるという点でメリットがある。現在、AWS、Cloudn、ニフティクラウド、Azureへ接続する際の設定例が公開されている。そのほか、ヤマハ製品を利用したクラウド環境の構築ノウハウをもつパートナーの紹介、クラウドを絡めた導入事例の公開なども行っている。
SCSKでヤマハ製品の販売促進を担当するITプロダクト&サービス事業本部ネットワークプロダクト部の奈良部朝康氏は、「お客様やパートナー各社が求める情報を可能な限り公開し、ネット上やイベントなどで交流を深めていくやり方が、当初から変わらないわれわれのパートナー戦略」と話し、垣根を設けることなくコミュニティに対して、継続して情報提供していく方針を強調した。

ネットワーク構成の可視化が可能なインテリジェントスイッチ
「SWX2300-16G」