ステップワイズは愛知県名古屋市に本社を構えるが、ビジネスの主戦場は東京を中心とした関東圏だ。IT化によってビジネスを拡大しようとするユーザー企業が多いためで、SIerという概念を捨てて、さまざまなベンダーの製品・サービスを組み合わせてカスタマイズする“コラボレータ”という立場で、経営サイドのコンサルティングを行いながらユーザー企業を成長へと導いている。システムの保守・運用も手がけるが、SIが収益源ではなく、ユーザー企業が満足してもらった際に対価をもらう成果報酬のビジネスモデルを構築した。
Company Data会社名 ステップワイズ
所在地 愛知県名古屋市br />
資本金 300万円
設立 2005年1月
社員数 3人
事業概要 ソフトウェア受諾開発・製品販売/システムコンサルティング/ウェブサイト作成/ネットワーク設計・構築・運用・保守/ハードウェア構築
URL:http://www.step-wise.co.jp/ 「人/月」は明朗ではない

長谷川 誠
代表取締役 ステップワイズは、名古屋発のSIerとして2005年に設立。創業から10年以上が経過している。もともとは、ユーザー企業から直接ソフトウェア開発の案件を受託していたが、5年ほど前からクラウドサービスを主力に据えたビジネスにシフト。長谷川誠・代表取締役は、「クラウドサービスの登場によって、ユーザー企業がシステムを手軽に導入できて、すぐにリプレースすることができる時代に突入した。オンプレミス型に固執していては生き残れないと実感した」と振り返る。
そこで、マイクロソフト製クラウドサービス基盤の「Windows Azure Platform(現Microsoft Azure)」上で、販売管理「VENTA for Silverlight」の提供を開始。一方、クラウドサービスとオンプレミス型の両方を求めるユーザー企業が多かったことから、「ハイブリッド環境を整えることに力を注いでいた」という。そのため、オンプミレミス型のシステム構築を完全にやめることはなかった。
しかし、「一般的な『人/月』単価によるビジネスはユーザー企業に対して明朗ではない」と判断していた。また、ユーザー企業の要望だけを聞いていたのでは「スパゲティ化」などといわれる、システムが複雑に絡み合ってリプレースする際に労力を要する状態に陥り「ユーザー企業にとっても、SI業界にもメリットにならない」と考えていた。
経営サイドからコンサルティング
単にシステムを構築したり、クラウドサービスを提供したりするだけでは、ユーザー企業にとってメリットにならないと判断していたことから、ステップワイズでは製品・サービスを提供して収益を確保するというビジネスモデルを志向していない。「もちろん、ソフトウェアを開発したり、クラウドサービスを提供したりと、IT企業としての役割を果たしているが、ユーザー企業がどのように成長したいと考えていて、それにIT化が役立つのかを見極めることが重要となる」と捉えている。
ちょうどその頃、関東圏の大手企業から経営革新を含めたIT化の依頼があって着手。この案件では、「システム構築や保守・運用、コンサルティングで収益を確保するのではなく、ユーザー企業がシステム稼働後に成長した際に対価をもらう成果報酬型にした」。これが奏功し、「今でも、そのユーザー企業とはパートナーのような関係で深く関わっている」という。これが高く評価されて、複数の案件を獲得することになった。システム構築と比べて1案件あたりの一度に入る額は減ったが、「ユーザー企業にとって本当に必要なIT化を提供することができた」と自負している。
SMBにクラウドを広める
ハイブリッド環境を求めるユーザー企業の増加で、ステップワイズではクラウドサービスを提供する機会が多くなっており、「名古屋では製造業を中心にクラウドサービスの利用が進んでいる」という。一方、「まだまだSMB(中堅・中小企業)は、どのようにクラウドを導入すればいいかがわからないケースもある」という。そこで、IaaSの利用権とルータをセットにして月額3万9000円で提供するサービスを創造。ルータを設定すれば、すぐにIaaSが利用できる仕組みだ。ユーザー企業にとっては特別な設定を必要とせずにIaaSが利用できるのだ。
月額3万9000円というのは他社と比べると破格といえる。これにより、SMBにクラウド利用を広めることが狙いで「IaaS利用権とルータがセットのパッケージをきっかけに、ユーザー企業のIT化に関する課題を解決できるようになれば、成果報酬型のビジネスにつながる」としている。
長谷川代表取締役は、「ユーザー企業にとってIT化とは何なのか、IT化には何が必要なのかを判断する“コラボレータ”がキーワード」とかみ締める。ユーザー企業に最適な取り組みを進めたことで、ステップワイズも成長。今年度(2016年12月期)の売り上げは前年と比べて1.5倍に膨れ上がる見通しだ。