案件の規模は小さくても、提案から納品までトータルで請け負えば、各フェーズでのノウハウを身につけることができる。札幌市に本社を置くシステムデザイン開発は、大規模案件の一部を下請けとして担うよりも、元請けにこだわってきた。中小規模の受託開発が中心とはいえ、「全体の流れがわかるので、案件規模が大きくても対応できる」と菅野滿CEOは自信をもっている。受託で開発したシステムのパッケージ化やサービス化にも取り組んでいるが、受託開発は今後も事業の柱とする考えだ。
Company Data会社名 システムデザイン開発
所在地 北海道札幌市中央区
資本金 3800万円
設立 1985年8月
社員数 32人
事業概要 基幹システム開発、ウェブシステム開発、モバイルシステム開発、スマートフォンアプリ開発
URL:http://www.sddgrp.co.jp/ 元請けとして事業展開

菅野 滿
President.CEO 1985年に札幌市で創業したシステムデザイン開発。当時はオフコンの全盛期で、販売会社からシステム開発案件を紹介されることが多かったという。「東京の販売会社が北海道にオフコンを納入するときに、開発案件も伴う。顧客サポートなどを考慮し、ユーザー企業に近い当社に声がかかった」と、菅野CEOは当時を振り返る。東京の販売会社の下請けだが、ユーザー企業と直接やり取りをする元請け的な案件だった。
以降、システムデザイン開発は、“エンドユーザーの近く”にこだわり、元請けとして事業を展開してきている。基幹システムは定期的な更新ニーズがあることから、なかには30年近くのつき合いとなるユーザー企業もあるという。「30年やっていると、業務については当社のほうが知っていることもある(笑)」(菅野CEO)。
また、元請けにこだわり、提案から納品までトータルで請け負ってきているため、菅野CEOは大型案件にも対応できると考えている。「システム開発の視点では、案件の規模はあまり関係ない」とし、今後は大型案件の獲得も目指していく。
クラウドサービスも展開
システムデザイン開発は、受託で開発したシステムをベースとするパッケージ化やサービス化にも取り組んでいる。「受託で開発したシステムは、当社に著作権があるようにしている。そのため、パッケージ化して販売してきた。ただ、パッケージ製品を販売するのは簡単ではない」と、菅野CEOは語る。
そこで取り組んだのが、クラウドサービスとしての展開だ。その一つが出退勤管理システム「Net-coder」で、外食チェーンなどを展開する企業で導入が進んでいるという。「クラウドサービスは簡単に試用できるため、ビジネスが速い」と、オンプレミスとの違いを菅野CEOは感じている。ほかにも、ストレスチェック総合サービス「こころメイト」や直売店向けシステム「Toreta」などを提供している。クラウドサービスがきっかけで受託開発案件につながることもあるため、今後もサービス強化を続けていくとしている。
IoTの活用で農業に注目
受託開発が中心のシステムデザイン開発だが、今後の事業展開を考慮し、農業ITにも注力している。活用するのはIoTだ。「農業は勘と経験が重視される。データはあまり利用されてこなかった。ところが、データを活用することで改善できる余地は十分にある」と菅野CEOは語る。
同社は、帯広市の大根畑でIoTを活用したシステム開発に取り組んで3年になる。「大根は栽培の期間中、1週間ずつずらして植えていき、そのサイクルで収穫している。これを毎週データ化して、蓄積することで、水やりや農薬投入のタイミングなど、最適な栽培方法をみつけだす」という。菅野CEOによると「大根は30%のロスがある」という。作付けしたダイコンのうち、30%はしっかり成長しなかったり、形が悪かったりして出荷できないというわけだ。大規模な農場をもつ北海道の農家にとって、30%は非常に大きな金額となることから、IT投資の効果を示しやすい。効率化による人手不足の解消という点でも、農家のIoTに対する期待は大きい。
また、大根の販売価格を考慮し、Lサイズで出荷すべきか、Mサイズで出荷すべきかなどの判断にAI(人工知能)を活用するといった取り組みも始めている。利益率から、Mサイズで出荷すべきとの判断もあるという。
大規模農場は北海道の特徴であり、国内の他の地域への展開は簡単ではない。そこで菅野CEOは、横展開の先として海外を目指している。まずはアジアの各国へ。菅野CEOのチャレンジは続く。