2012年よりデル傘下で次世代ファイアウォールやUTM(統合脅威管理)アプライアンスを手がけていたSonicWallが、デル・ソフトウェアグループの売却にともない再びセキュリティ専業ベンダーとして独立した。パートナー網のさらなる強化を図り、好調な日本市場での業績をさらに伸ばす考えだ。(日高 彰)
1991年創業のSonicWallは、中堅・中小企業向けのファイアウォールや各種セキュリティ機能、VPN機能などを単一のきょう体に搭載したUTMアプライアンスを手がけている。12年、デルによって買収され、デル・ソフトウェア傘下で事業を展開してきたが、デルはEMC買収による事業再編のなかで、SonicWallを含むデル・ソフトウェアグループを投資会社へ売却することを決定。今月正式に手続きが完了し、SonicWallは再び独立したセキュリティベンダーとして歩み始めた。
なお、国内では現在、デル・ソフトウェアの日本法人がクエスト・ソフトウェアに社名変更した形となっており、当面はクエスト・ソフトウェア内にクエストとSonicWallの事業が並立する。ただし、すでに両事業部門はそれぞれ個別に運営されており、近い将来、クエスト・ソフトウェアから独立したSonicWall日本法人を設立する予定だという。
また、これまで親会社だったデルとのパートナーシップは継続し、デルはSonicWall全製品の再販を引き続き行う。デルは中堅・中小企業向けのIT製品の販売で強く、SonicWallがターゲットとする市場と相性がよい。また、デルの販売チャネルを活用できることによって、国内では公共や大学向けにもSonicWall製品の販売が伸びているという。今後もデルとの関係は戦略的なものとして重視する考えだ。

SonicWall事業本部
藤岡 健
代表 国内のSonicWall事業のトップを務める、クエスト・ソフトウェアSonicWall事業本部の藤岡健・代表によれば、日本市場の15年度業績では、13年度と比較して出荷台数がほぼ2倍に増加したという。中小企業向けの低価格モデルが中心のため収益の伸びは倍とはいかないが、それでも売上高は同期間で3割増加している。日本はアジア太平洋地域で首位、グローバルでもトップ5に入る重要な市場であり、米国本社からも日本市場への期待は大きいという。今月、クラウド型サンドボックス機能「Capture APT」を国内のデータセンターでも提供を開始し、海外にデータを出すことなく未知のマルウェアに対する防御を高められるようにした。
新生SonicWallの始動にあたって同社が発表したのが、「SecureFirst」と呼ぶ新たなパートナープログラムだ。同社は本拠地の北米市場を含め、製品提供は100%販売パートナーを通じた間接販売モデルを採用している。デルのプログラムから離れ、独自の意思決定を行えるようになったことから、販売チャネル向けの支援をさらに強化し、中堅・中小企業市場でのシェアを拡大する方針だ。(つづく)