「どうせやるなら新しいことをやろう」というのが私の考えだ。社内のみんなにも、進取の精神をもって、新しいことにどんどん挑戦してほしいと話してきた。その成果の一つとして挙げられるのが、IoTでの利用を念頭に置いたLPWA(低電力、広域)無線ネットワーク「SIGFOX(シグフォックス)」のサービス立ち上げである。
当社は、さまざまなデバイスを開発している京セラグループで、社内にはSI部門と通信エンジニアリング部門が併存している。LPWA無線は、実際に無線アンテナを立てて、主要都市に展開していくため、当社のエンジニアリング部門の本領を発揮できる。アンテナ基地局の設置工事はもとより、電波が隅々まで行き渡るように、電波の強度を測定する特殊な技術をもっているSIerはそうそうない。
SI部門は、アプリケーション、サービスの領域で、顧客とともに新しいアイデアをもち寄り、IoTを活用したビジネスの創出に努めていくことになる。新規事業の創出では、当社のアメーバ経営コンサルティングサービスが役立つ可能性も高い。
日本には数多くの電気電子メーカーがあり、当社ではさまざまなセンサデバイスを活用している。そのため、SIGFOX事業を進めることで、電気電子産業の活性化にもつながると期待している。京セラグループもセンサを数多くつくっている。新しいことにどんどん挑戦する「進取の精神」で、グループ内外との協業も進めながら、社会を変えるイノベーションを起こしていきたい。