直近の決算(2016年9月期)をみても、業績そのものは順調で、数字の面では何の問題もない。保守契約である「あんしん保守サポート」のユーザー数は47万会員を超え、5年前は19万弱だったことを考えると隔世の感がある。加えて、クラウド会計アプリケーションが初めて予算を達成した。これまでは未達が続いていただけに、クラウド会計が事業の柱になり得るのが明確になったという手応えがある。
16年2月にグループ化したクラウド請求サービスベンダーのMisocaの事業も順調で、請求総額も順調に増えている。見積から請求、回収、会計まで、取引の流れを一気通貫で電子化するSMB向けEDIの開発もMisocaメンバーと共同で進めている。もともとの開発スタイルが違うので、いい意味でのフリクションがあり、成果にも期待がもてる。17年にはそれを市場に着実に示していくことになるだろう。
一方で、将来を見据えるとまだまだやらないといけないことがある。端的にいえば、法人向けクラウド会計の市場の本格的な立ち上げだ。16年10月には、会計事務所向けの「弥生会計 AE」と「弥生会計オンライン」のデータ共有機能をリリースし、7000を超える会計事務所パートナー「弥生PAP」会員がクラウド会計に対応できる体制が整った。これは大きな推進力になる。また、各種の自動化機能の充実で、スモールビジネスのバックオフィスを圧倒的に効率化する「業務3.0」の世界を浸透させていく。これらの目標を何としてでも達成すべき、勝負の年だと捉えている。