既存ビジネスモデルの破壊か、進化か? ブロックチェーンの革新
<既存ビジネスモデルの破壊か、進化か? ブロックチェーンの革新>(34)IBMのブロックチェーンビジネスが加速
2017/03/15 09:00
週刊BCN 2017年03月06日vol.1668掲載
IBMのブロックチェーンビジネスが活発化している。Linux Foundationの「ハイパーレジャー・プロジェクト」には、富士通、NEC、NTTデータ、日立なども参加しているが、実質的な牽引役はIBMであり、プロジェクトの成果をいち早くビジネスに生かそうとしている。(取材・文/本多和幸)
日本IBMは2月27日、ブロックチェーン技術の活用と高度なセキュリティが必要な業務に対応できるブロックチェーン・クラウド・サービス「IBM Blockchain on Bluemix High Security Business Network」(HSBN)の提供を開始したと発表した。
HSBNが提供する機能は、取引履歴を保存して共有する「分散台帳」、取引ルールを規定する「スマート・コントラクト」、取引をシステム上で確定する「合意形成」、取引の安全性を確保および認証する「暗号技術」の四つ。特定の業界や団体単位でブロックチェーン・ネットワークを形成し、スマート・コントラクトと分散台帳を共有できるモデルを構築できるという。
金融に限らず、さまざまな業界・分野でブロックチェーンのPoCが活発化しているが、さらに一歩踏み込み、実用を視野に入れた検証を進めるには、「より強固なセキュリティが求められている」というのがIBMの見解であり、HSBNは、そうしたニーズを満たすサービスだという。
ハイパーレジャー・ファブリックをBluemix上で提供
ブロックチェーン技術としては、「ハイパーレジャー・プロジェクトが開発を進めるハイパーレジャー・ファブリックを採用して」いるとしており、これを同社のクラウド基盤である「IBM Bluemix」上で提供する。
HSBNのインフラ側では、ハードウェア暗号化技術「FIPS 140-2 Level 4」に準拠する暗号鍵によるデータ管理や、同社が「業界で最もセキュアで、最高のパフォーマンスを提供するエンタープライズ・サーバー」と自信をもつ、Linux専用のメインフレーム・サーバー「IBM LinuxONE」などを採用している。これにより、マルウェアからの攻撃やなりすましなどの内部犯行によるデータ漏えい、改ざん、不正操作を防ぐことができるという。また、日本IBMはHSBNを国内データセンターから提供するため、データを国内に置くことが求められる機密データの活用にも対応する。
さらに同社は、ブロックチェーン上に構築するアプリケーションのスピーディな開発を支援するために、コンサルティングサービスである「IBM Bluemix Garage」なども顧客に提案していく方針だ。IBM Bluemix Garageは、IBMが自らの製品開発を通して確立したデザイン手法やグローバルの知見を顧客にシェアし、アプリケーションのプロトタイプ開発やユーザーテストなどをサポートするもの。
なお、HSBNの利用料金は、PaaSであるBluemixの基本利用料とサポート料込みで、月額160万円からとなっている。
IBMのブロックチェーンビジネスが活発化している。Linux Foundationの「ハイパーレジャー・プロジェクト」には、富士通、NEC、NTTデータ、日立なども参加しているが、実質的な牽引役はIBMであり、プロジェクトの成果をいち早くビジネスに生かそうとしている。(取材・文/本多和幸)
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