おさらいキーワード
<おさらいキーワード>第16回 インダストリー4.0、インダストリアル・インターネット
2017/05/17 09:00
週刊BCN 2017年05月08日vol.1676掲載
インダストリー4.0
ドイツ政府が進める国家プロジェクト。ドイツ語で「Industrie 4.0」と表記する。過去3回の産業革命と同様に、実現すれば歴史的に大きな転換点になると考えられており、「第4次産業革命」と呼ばれている。
インダストリー4.0は、ドイツ政府が2011年に発表した考え方。人工知能(AI)やビッグデータ、ロボットなどを組み合わせ、「自ら考える工場」を意味する「スマート工場」の実現が中心だ。
総務省がまとめた「平成28年版情報通信白書」によると、ドイツは、経済と社会のデジタルを推進することで、世界経済のけん引を目指している。17年までの4年を期間とするIT戦略の指針「デジタル・アジェンダ」にも、インダストリー4.0の推進に関する項目が盛り込まれた。
ドイツ国内では現在、産学官が連携し、国際標準化活動や技術研究開発、セキュリティとプライバシー保護などについての取り組みを進めている。中小企業を大企業が支援し、国全体に効果を浸透させることを狙っている。
他国の製造業が競争力を増しているほか、欧州経済の低迷を背景に、ドイツが強みの製造業をさらに強化し、国際的な主導権を獲得しようとしているとの見方もある。
日本の経済産業省は16年、ドイツ経済エネルギー省との間で、「IoT/インダストリー4.0協力に係る共同声明」に署名した。今後、両省の局長級対話を毎年実施し、産業サイバーセキュリティと国際標準化、規制改革、中小企業、人材育成、研究開発の6項目で連携する。
インダストリアル・インターネット
米国GEを中心とした企業連合「Industrial Internet Consortium」(インダストリアル・インターネットコンソーシアム、IIC)が主導して進めている活動。「産業のインターネット」と訳す。
IICは、GEとインテル、シスコシステムズ、AT&T、IBMの米国大手5社が2014年に設立した。製造業に焦点をあてたドイツのインダストリー4.0と異なり、インダストリアル・インターネットでは、ヘルスケアやエネルギーなど幅広い領域でIoTの産業実装や国際標準化を目指している。
GEは12年から、インダストリアル・インターネットの考え方を提唱している。18世紀から20世紀までの産業革命や、20世紀後半のインターネット革命に続き、「第3の波」として再び変革をもたらすとみている。
そのうえで、「航空機エンジンの燃料消費や長距離貨物列車の運行システム、火力発電の燃焼効率をわずか1%改善するだけで年間およそ200億ドルの利益を生み出すことになる」と予測している。
IICには現在、200を超える企業が参加している。欧州や中国など米国以外の企業もメンバーとなっており、日本からは日立製作所やトヨタ自動車などが加わっている。
日本では15年、産学官組織の「IoT推進コンソーシアム」(ITAC)が設立された。
ITACとIICは16年、「日米IoT分野の協力に係る覚書」に署名し、分野別の実証などで連携することで合意している。
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