既存ビジネスモデルの破壊か、進化か? ブロックチェーンの革新
<既存ビジネスモデルの破壊か、進化か? ブロックチェーンの革新>(58)通信事業者向けの活用検討でコンソーシアム
2017/09/27 09:00
週刊BCN 2017年09月18日vol.1694掲載
ソフトバンクが、通信事業者向けのグローバルなブロックチェーン・コンソーシアムの立ち上げを宣言した。国産通信事業者の雄が、ブロックチェーンの市場を成長させる新たな一歩をけん引することになるのか。(取材・文/本多和幸)
ソフトバンク、米スプリントの両通信事業者と、ブロックチェーン技術開発企業である米TBCASoftは今年2月、通信事業者向けのブロックチェーン技術の共同開発で協力を目指すことに合意した。TBCASoftのブロックチェーンプラットフォームと通信事業者のシステムを接続し、キャリア間のブロックチェーン決済システムを構築。このシステム上で、通信事業者をまたいだプリペイド携帯電話口座へのチャージや、モバイル端末上で支払い取引ができるデジタル・ウォレット(提携先店舗での支払いや口座決済ができる)の連携、国際送金、IoTソリューションを使った決済の実験などに成功したという。
3社はこの実証実験について、「TBCASoftの技術により、24時間365日、低コストで稼働し、高い安全性と汎用性を兼ね備えたグローバル・ブロックチェーン・プラットフォーム・システムが実現できた」と総括している。
これらの一連のプロジェクトに、今回、台湾の通信事業者であるファーイーストンが加わることになった。4社は、この連携を「次世代のキャリア間ブロックチェーン・プラットフォームとエコシステムの構築を目指すコンソーシアムに発展させる」べく、新しいブロックチェーン・コンソーシアム「Carrier Blockchain Study Group(CBSG)」を発足させたかたちだ。
キャリア間決済システム
の実験に成功
CBSGは、これまでの実証実験を踏襲したうえで、「安全な清算や決済、個人認証、IoT端末向けアプリケーションなどのさまざまなサービスを、ユーザー向けに提供するプラットフォームの構築」を目指し、研究開発を進める。ブロックチェーンを活用して通信事業者の通信バックエンドシステム同士を接続することで、「通信事業者間のトランザクションの遅延やエラーをなくすことが可能になる」という。これにより、「既存のビジネスオペレーションを大幅に向上するだけでなく、通信事業者にさまざまなビジネスチャンスを生み出す」と、コンソーシアム側は期待を寄せている。
ソフトバンクの福泉武史・IT統括ITサービス開発本部本部長は、コンソーシアム発足にあたって、これまでの実証実験について次のようにコメントしている。「短期間かつ合理的なコストで、TBCASoftのブロックチェーン・プラットフォームと、ソフトバンクのビジネスサポートシステム、モバイルアプリケーション・サーバーを統合することに成功した。通信事業者が今後検討していく価値交換サービスに対して、TBCASoftのブロックチェーン・プラットフォームの有効性や実装方法が確認できたことに満足している」。
ソフトバンクが、通信事業者向けのグローバルなブロックチェーン・コンソーシアムの立ち上げを宣言した。国産通信事業者の雄が、ブロックチェーンの市場を成長させる新たな一歩をけん引することになるのか。(取材・文/本多和幸)
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