2016年設立のカミナシは、現場の業務効率化を支援するサービスを提供。「いま世の中にあるSaaSのほとんどがオフィスワーカー向けと感じる。ノンデスクワーカーの働き方をスマートにしたい」との思いから生まれたもので、業界を問わずあらゆる現場のニーズに対応します。諸岡裕人代表取締役に取材しました。
どんな会社なの
現場の紙をなくして業務を効率化するツールを提供しています。
諸岡裕人 代表取締役
同社では、工場や店舗など現場で働く従業員の業務を自動化・効率化する現場管理サービス「カミナシ」を提供。特に紙を中心とした業務をタブレット端末などに置き換え、従業員の作業負荷を軽減します。
正しい手順での作業遂行を支援するチェックリストやマニュアル、ナビゲーションの機能を搭載。作業者が選択した項目によって指示や設問が変わるなどして、作業の監督者がいなくても「アプリが正しい手順を守らせてくれる」といいます。
ほかにも、作業記録の自動チェックや、入力データを基にした日報や報告書の自動作成・送信機能で、業務にかける時間を削減することが可能です。また、現場の監査や巡回によって指摘された問題の改善状況をダッシュボードに可視化して、業務の効率化だけでなく現場の“カイゼン活動”も支援します。
導入実績は
トライアルが終了した13社中の9社で導入が決定しています。
サービスは19年11月からベータ版を提供。これまでに製造や小売り、飲食、運輸業などの企業から550件以上の問い合わせが寄せられたそうです。特に工程管理や品質管理、今年6月から義務化された食品の衛生管理手法「HACCP」への対応に向けて利用する企業が多いそうです。
今後の方向性は
既存の社内システムとつなぐ動きを強化していきます。
6月末にはカミナシの正式版をリリースする予定です。また、今後の新機能として、多言語翻訳機能や従業員のトレーニング機能の開発を検討しています。
また、「基幹システムから大量の紙が吐き出されているとしたら、そことの連携が必要。そうしないと、本質的な基幹業務のデジタル化ができない」と指摘。基幹システムとカミナシをつなぎ込んだ上で、フロントシステムとしてカミナシを使ってもらえるよう、顧客企業の既存社内システムとつないで付加価値を高める動きを加速していく考えです。
よろしくカミナシ
同社では以前、食品工場向けの品質管理サービスを提供していましたが、成長性などの観点から継続を断念。そのサービスに搭載していた機能や要望を基に、新たに作り出したのがいまの現場管理サービスです。導入も好調で、「前のサービスとは、成約率やスピード感が違う」と、諸岡さんは手応えを感じているようです。カミナシは「現場管理サービス」でイッポ前へ!