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「エッジコンピューティング」の用語解説? 5G浸透が普及の鍵

2021/10/26 18:33

週刊BCN 2021年10月25日vol.1896掲載

 分散コンピューティングの概念の一つ。デバイスやセンサー内、またはその近くに置かれたサーバーなど、データが発生した現場に近い場所でデータを処理する手法。日本語で「エッジ」は「端」や「縁」を意味し、ネットワークの末端部で情報処理を行うことを意味する。

 IoTデバイスの増加に伴い、大量のデータをクラウドやデータセンターに送信するケースが劇的に増えた影響で、ネットワークへの負荷が増大している。現場側で高速にデータ処理を行い、必要なデータだけを上位システムに送ることで、ネットワーク負荷の軽減を図ることができる。またクラウドなどへのアクセスではタイムラグも発生するが、エッジによってリアルタイム性を確保できるメリットもある。

 エッジコンピューティングは農林水産業、製造業、交通インフラ、小売業など業種業態を問わず幅広く活用が進んでいる。今後は「多数同時接続」や「大容量通信」「低遅延」を特徴とする5G(第5世代移動通信システム)と組み合わせることで、さらに有用性が高まるとみられ、普及が進む可能性がある。

 ただ、導入や運用には高額なコストが生じる場合があるほか、エッジ側で処理した時点で不要と判断された情報は消されるため、実は重要だったはずの情報を失ってしまうなどのデメリットもある。
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