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「XDR」のメリット・デメリット、ベンダーの競争を加速させる可能性も

2022/01/04 18:33

週刊BCN 2022年01月03日vol.1905掲載

 ゼロトラストを実現するサイバーせキュテリティの概念の一つで、「Extended Detection and Response」の略称。ネットワーク、クラウド、エンドポイント、アプリケーションなど、それぞれのセキュリティ情報を集中的に管理・分析し、単体のセキュリティソリューションでは発見しにくい高度な攻撃への対応を図る。

 サイバー攻撃の高度化に伴い、複数のセキュリティソリューションを導入した場合、それぞれの製品ごとに管理する必要があり、分析作業などの負担が大きくなっていた。XDRを採用した場合では、ソリューションの配置箇所に関係なく、一つのコンソールでセキュリティ機器の統合管理ができるなどのメリットがある。

 XDRを実現するには、各環境に置かれるセキュリティ製品をシングルベンダーで統一することが必要となるため、そのベンダーのサービスに障害が発生した場合にどう対応していくかが課題となる。また、ベンダーごとに強みを持つ領域が異なるため、各分野で最適な製品を組み合わせることができない点もデメリットとしてある。

 ベンダー側にとっては、XDRが主流となることで、エンドポイント、ネットワークなど分野ごとに行われていたすみ分けがなくなり、競争が激化する可能性もあり、市場に与える影響も注目されている。
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