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「メタバース」の用語解説、8兆ドルの市場規模になるとの予測も

2022/01/25 18:33

週刊BCN 2022年01月24日vol.1908掲載

 英語のメタ(超越)とユニバース(宇宙)を合わせた造語と定義されている。仮想化した自分自身が、3D空間で国内や世界各国のさまざまな人々と交流できる。新型コロナウイルスの感染拡大が長期化し、対面での交流ができなくなっていることで、メタバース市場の注目度が世界的に高まっている。

 米モルガン・スタンレーの発表によると、メタバースの市場規模は、長期的に8兆ドルに達すると見込まれる。

 メタバースの市場には、米国や中国などの巨大企業の参入が本格化している。例えば2021年10月には、旧Facebookが社名を「Meta(メタ)」に変更し、仮想現実などの領域に注力する方針を示した。社会の次なる進化と位置づけ、重点戦略としてSNS事業から大きく舵を切るという。

 中国のインターネット検索最大手百度(バイドゥ)も同年12月、自社で開発したメタバースのサービスを公開して話題となった。日本企業では任天堂やソニーグループなどが事業や投資で注力している。

 市場の拡大が期待される一方、課題も見え隠れする。メタバース市場で成長が見込まれている領域の一つにゲームやライブなどがあるが、コロナ禍が収束して対面の交流が全面再開した時、メタバースの存在価値を維持できるかどうかを疑問視する意見が出ている。
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