今後、法人向けPCとて定番としていきたいとしているのが16.0型の「VAIO Pro BM」と14.0型の「VAIO Pro BK」。過去、法人向けには薄型・軽量と高性能を突き詰めた「プレミアム」ラインの機種のみを展開していたが、昨年からはプレミアムラインに加え、コストパフォーマンスを重視した「定番」ラインの両面で展開する体制となった。定番ラインの機種はプレミアムラインに比べ、実用性を損なわない範囲で重量や厚みが増しているものの、部品の共通化などでコスト低減に取り組んでいるため、デザインや品質を維持しつつ価格を抑えている。今まで価格を理由に導入に至らなかったユーザーをターゲットにする。特にVAIO Pro BMは、アスペクト比16:10の大きな画面に加えて、デスクトップPC向けのキーボードと同じテンキー付きのフルサイズキーボードを採用していることなどが特徴だ。
VAIO Pro BM
時間がかかるリプレースに寄り添う
Windows 10のサポート切れに伴う買い替え需要に対して、矢野執行役員は「当然、VAIOにとっては十分追い風になる要素だ」とした一方で、同社の顧客の多くが大企業であることから、移行や買い替えには早い段階から取り組んでいる企業が多いとしている。ただし、検討の開始が早かった企業でも、必ずしもリプレースが早く終わるわけではないという。「時間がかかるため早くから取り組んでいるということ。(買い替えの)タイミングでVAIOがどれだけ寄り添えるかが重要となる」と指摘する。
Windows 11への買い替え需要の後で、GIGAスクール端末の更新による波が訪れるとみるが、最初の導入が行われた19年と同等の規模でプロジェクトが進むかどうかについては疑問視している。とはいえ、GIGAスクール端末の導入から数年が経った現在、「安いPCを入れたために故障などでかえってコストがかさみ、苦しんでいる学校が存在する。その中で、丈夫で、なにかあったときの保守や修理で教員に迷惑をかけないようなPCにスポットライトは当たらないのか」と問題提起。GIGAスクール構想の仕様に合わせたエントリークラスの製品は提供していないが、強みとする丈夫さや品質を評価した私立の高校などで導入されているという。