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日立システムズ、コンテナ型データセンターのラインアップをリニューアル
2025/05/08 16:49

コンテナ型データセンターは、コンテナの中にサーバーラックや冷却設備、電源設備などデータセンターに必要な設備をワンパッケージで提供するため、一般的なデータセンターを構築する場合と比べて短期間に低コストで構築でき、増設や移設も容易となる。今回、日立システムズは、生成AI利用向けの「高負荷サーバーモデル」、専用環境向けの「サーバールームモデル」、キャリア基地局向けの「エッジコンピューティングモデル」の3種の標準モデルの提供する。
日立システムズでは、ITサービス企業としてのIT機器に関する知見と、サーバー室、オフィスなどの建築関連設備の工事対応をしてきた実績がある。同社が提供するコンテナ型データセンターは、IT機器がもつ性能・スペックをより発揮できる環境づくりを設計から工事までトータルで対応できることが特徴。これによって、GPUサーバーなど多くの熱を発する機器に対しても、効率的な冷却環境をつくることができ、機器の安定稼働につなげることができる。
「高負荷サーバーモデル」は、生成AI利用などによる高負荷サーバーの稼働用途に対応し、水冷によるダイレクトチップクーリングの冷却設備を提供する。価格は10億円程度。「サーバールームモデル」は、研究機関や病院、プラントなど自社敷地内に設置するサーバールーム用途に対応し、ネットワーク接続やセキュリティーの個別要件も含め提供する。価格は2億5000万円程度。「エッジコンピューティングモデル」は、キャリア基地局など通信網の拠点用途に対応し、通信機器向けの直流電源装置を提供する。価格は1億円程度。
これらによって、顧客はニーズに合ったコンテナ型データセンターを短納期かつ安価に導入することができ、生成AIの活用をはじめとした事業拡大に向けた取り組みを迅速に推進することが可能となる。自社敷地内の狭いスペースでも設置が可能であることから、病院や研究所など秘匿性が高いデータを、専用環境で管理したいというニーズへの対応も注目されている。
データセンター内の点検を無人で行えるよう、自律走行と遠隔操作のハイブリッド型業務DXロボット「ugo(ユーゴ―)」を標準搭載した。顧客は事務所にいながらugoを操作し、コンテナ型データセンター内の稼働状況の確認やシステム障害のチェックをすることができるため、無人でのデータセンター運用が可能となる。
日立システムズでは、3種の標準モデルを中心に、コンテナ型データセンターの拡販を推進し、2027年度までに累計100億円の売り上げを目指す。今後、顧客の業務をシームレスにサポートするマネージドサービス群である「Hitachi Systems Managed Services」と連携し、コンテナ型データセンターのセキュリティー監視・運用をトータルで支援する。また、全国約300の拠点の保守要員による迅速な保守対応など、コンテナ型データセンターを導入した後のサポートも合わせて提供していく。
日立製作所とも連携し、データセンター事業を継続的に強化しながら、One Hitachiでグリーンデータセンター実現に向けて取り組みを加速することで、顧客のDX加速やサステナブルな社会の発展に貢献していく。
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外部リンク
日立システムズ=https://www.hitachi-systems.com/
「コンテナ型データセンター」=https://www.hitachi-systems.com/sp/facilitydata/index.html