ソフトバンクの孫正義社長が、最高速度12Mbpsの新ADSLサービス「Yahoo!BB 12M」の発表会見で、珍しく声を荒げた。

　「Yahoo!BB」はこれまで、ユーザーへのサービス提供が遅れ、訴訟を起こされたり、先月には「BBフォン」に不具合が起きたりと何かと問題を起こしてきた。

　今回も同サービスに使用する新規格「Annex.A.ex」について、他社回線に及ぼす悪影響や、情報通信技術委員会（TTC）の許可を得ていなかったことに、ライバルのイー・アクセスが総務省に苦情を提出。これに対し孫社長は、「他の回線に影響がないのは実証実験で証明済み。TTCにフィールドテストを提案する義務があるとは認識していない。ルール違反を犯したように言われ、営業妨害だ」と強く反論、怒りをあらわにした。

　同サービスは、「Annex.A.ex」、「Annex.A」、「Annex.C」の3種のADSL規格からユーザーの通信環境に合わせて、最適な通信方式を自動的に切り替えることができる。孫社長は「この技術は環境に合わせて様々な色に変化するようなところから、『カメレオン』と名づけた」という。12Mサービスの船出は、何とも多難。だが、果たして最安値の価格と高速通信を武器に、“カメレオン”のごとく外敵から身をかわし、より幅広いユーザー獲得ができるだろうか。