7月14日から19日にかけて、「第54回IETF 横浜会議」がパシフィコ横浜会議センターで開催された。世界約30か国から約2000人の技術者・研究者が参加した。

　「IETF会議」がアジアで開催されるのは今回が初めてのこと。主催は、オペレーティングシステム技術と通信技術を基盤とした新しいコンピュータ環境の確立を目指すWIDEプロジェクト（村井純代表＝慶應義塾大学環境情報学部教授、SFC研究会所長）が担当した。

　実はこの会議、参加者が会場であるパシフィコ横浜以外の場においても、会場内の参加者を含む世界中の技術者とインターネットを活用し議論を行うため、全員が快適な通信環境で議論に集中できるようにしなければならなかった。

　19日には、報道陣向けに報告会を開催。村井代表は、「参加者が宿泊するホテルに願い出て、各フロアにワイヤレスLANの基地局を設置した。だが、VIPが宿泊する部屋は、建物の端にあるスイートルームだったため、基地局の信号が届かなかった」、「仕方なく、指向性アンテナを使い、会場の屋上からその部屋を狙い打ちした。台風の時には、スタッフが手分けして装置が飛ばないよう頑張った」と苦労話を語った。

　涙ぐましい努力の甲斐あって、「参加者からは、大変好評だった」そうだ。