ソニーの大賀典雄氏が1月29日付で取締役会議長、取締役を退任した。

　大賀氏は東京芸術大学を卒業し、「音楽家になろうと思っていた」にも関わらず、ソニーの創業者である盛田昭夫氏に、「強引にこっちの道に引っ張られた」のは有名な話。

　図らずも会見の最中、本人の口から「ちょうど今、日本経済新聞の『私の履歴書』にそこら辺の話を書いているところだから」とこぼれ出た通り、連載が引退に花を添える格好となった。

　確かに、「私の履歴書」の中には、創業者である井深大氏、盛田氏と共にソニーを現在の姿にまで育て上げた経緯が詳細に記されている。

　「もう一度、生まれ変わってもソニーで働くか？　生まれ変わるなんてことはないと思うが…。同じソニーがあり、井深さん、盛田さんがいて、一緒にやろうよと言ったら、おそらくやるでしょうね」

　そんな発言にも、さもありなんと思わされてしまうのであった。