1＋1＝1.3。エキサイトの山村幸広社長は、今月上旬に行われた事業戦略説明会で、楽天によるインフォシークとライコスジャパンの吸収合併をこう表現した。

　「両社の合併は、それほど脅威には感じていない」と余裕の発言。その背景には、昨年度の業績が自信となって裏付けされているのだろう。

　エキサイトは、ポータルサイトの主軸事業といえる広告ビジネスからの脱却戦略を打ち出し、NTTのブロードバンド接続サービス「フレッツADSL」、「Bフレッツ」向けISP事業や、ウェブサイトや携帯電話の有料コンテンツ事業などの新たなサービスを展開。これが功を奏し、昨年度の業績は1997年の創業以来初の黒字を達成した。

　広告事業も、売上比率は00年度に比べて約30％減少しているものの、好調に右肩上がりの成長を遂げている。「ドットコムバブルがはじけ、多くの会社が淘汰されたなか、これまで進めていた戦略が実を結んだ年になった」と、山村社長は振り返る。

　破竹の勢いで成長を遂げている楽天が、インフォシークとライコスジャパンを、どのように舵取りし、「1＋1」を果たしていくつにするのか。合併が予定されている今年9月以降の楽天の戦略に注目が集まる。