ブロードバンド普及が進むなか、通販などのEC（電子商取引）サイトが活気づいている。ただし、ECサイトに訪れる客数のうち、実際に購買に結びつくのは全体の1.6％程度に過ぎないそうだ。EC業界屈指の激安販売を売りにしているサイトでさえ、この購買比率が格段に高まることはないという。

　仮に、購買比率が一定だとすれば、来客数を増やすことが、売上拡大への近道だ。来客数を増やす手法の1つとして、2002年頃にSEO（検索エンジン最適化）が海外から伝わってきた。検索エンジンに引っかかりやすいECサイトづくりをする単純なものだが、これが意外に効果があるという。

　年商100億円を突破し、急成長するパソコンECショップ「PCサクセス」の杉浦敏雄社長は「昨年3月頃からSEO対策を始めた。最初は眉唾物で、どこまで効果があるか分からなかった。だが、何事も挑戦だと思い、月間数十万のSEO対策費は“捨てたつもり”でやってみた」と話す。

　ところが、来客数はその後1年間で4倍の月間200万人に増えた。もちろん、他にも「ありとあらゆる方策」（杉浦社長）に挑戦したが、伸び率を100とすれば、このうち30－40％はSEO対策の貢献によるものだと分析する。

　世の中、食わず嫌いではダメだということか？