北斗七星

北斗七星 2005年3月7日付 Vol.1079

2005/03/07 15:38

週刊BCN 2005年03月07日vol.1079掲載

▼「知らない人が入るわけにはいかんだろ。ボクも知らないような人が…」(渡辺恒雄・巨人軍元オーナー)。「彼のことは知らないし、業務提携をやるつもりは全くない」(日枝久・フジテレビジョン会長)。マスコミのトップにいる人たちの価値基準は、〝知っているかどうか〟であるらしい。ある経済評論家は、「日本の資本主義は〝一見さんお断り〟の談合型。人のつながりがないと入れない」と表した。知らなければ、一度会ってみればいいと思うのだが、どうもそうはならないらしい。

▼ニッポン放送を巡る、フジテレビとライブドアの攻防が連日マスコミをにぎわせている。ニッポン放送株を巡る両社の争いだが、その一方で別のテーマも浮き彫りになっている。旧世代(といってしまったら失礼か)と新世代の争いだ。ライブドアの堀江貴文社長は32歳。ノーネクタイのラフな格好でテレビ出演や記者会見に飛び回る。事前の根回しもなく、ずんずん踏み込んでくる。それが政財界のお偉方には気に入らないようだ。

▼物事を変える、変革を促すには、ある種の破壊が必要だ。1990年代、日本経済が停滞していた時期、多くの企業経営者は現状打破を目指して〝ブレークスルー〟を提唱した。ブレーク(こわす、ばらばらにする)しなければスルー(通り抜け)できない。日本テレビの氏家斉一郎会長曰く、「我々も若い頃は突っ張って悪童と見なされたこともある」。堀江社長にブレークスルーの気概を見るのは北斗子だけだろうか。
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