北斗七星

北斗七星 2005年10月10日付 Vol.1108

2005/10/10 15:38

週刊BCN 2005年10月10日vol.1108掲載

▼日曜の夕方、のんびりテレビを見ていると玄関のチャイムが鳴った。モニター越しには初老の男性が立っていて、「国勢調査に協力をお願いします」。そうか、今年は国勢調査の年だったなと思いつつも、一瞬、気軽にドアを開けていいものか逡巡した。物騒な事件が増えている昨今、一応「身分証明はありますか」と尋ねると、手札版くらいのカードを見せられた。男性いわく、「最近は調査員と名乗っても、少なからずの人に警戒されるようになりました」。

▼前回の国勢調査までは、北斗子も気軽にドアを開けていた記憶がある。この5年間で治安に対する意識は変わり、個人情報も簡単には他人に伝えないようになってきた。国勢調査は約50世帯ごとに区域が設けられ、1人の国勢調査員が1─2区域を担当し用紙の配布・回収に訪れるが、その担当者の数は全国で80万人以上に達するという。今回の調査では中身を容易に閲覧できないようシールも添えられていたが、調査員のなりすましはないかと少し不安も覚えた。

▼家族構成や年齢、勤務実態といった情報は、空き巣や性犯罪などを狙う者にとっては格好の材料になり得る。こうした不安を取り除くうえで、ネットワーク化が進展し、データの暗号化や認証技術など、ITによるセキュリティ手法も高度化しつつある今日、そろそろ国勢調査のやり方も見直してもいい時期ではないだろうか。IT国家建設の一翼を担う総務省が取り仕切っている調査であれば、なおさらそうなって欲しい。
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