ビジネスインテリジェンス（BI）ソフト開発大手の日本ビジネスオブジェクツ（BO）は、ソフトウェア会社のカルテシス・ジャパンを10月1日付で統合した。今年6月にグローバルの本社によって仏カルテシスを買収したことを受けたものだ。

　ところが、そのBO自身もERP大手のSAPによって来年早々にも買収される方向にある。BO取締役会はSAPによるTOBを承認していると10月に発表。買収は友好的なものになるという。まるで、大きな魚が小さな魚を食べて、これをさらに巨大な魚が呑み込む構図。自然界同様、ダイナミックなパッケージソフトビジネスがうかがい知れる。

　BOといえば、長年のライバルのコグノスと激しいつばぜり合いを演じていた。SAPの傘下に入ることが決まれば、グループの規模ではコグノスを大きく上回ることになる。日本BOの印藤公洋社長（写真）は、「当社顧客の中でSAPユーザーは多い」と、相乗効果を見込む。

　しかし、BIと密接に関わるERPベンダーはSAPだけではない。BIベンダーは主要ERPベンダーとの等距離外交が基本。大きくなるだけではダメで、バランスを保つビジネスのインテリジェンスも必要ということか？（寶）