旅の蜃気楼

気分はジョブズ、ジーンズで決めてみた

2008/07/21 15:38

週刊BCN 2008年07月21日vol.1244掲載

【本郷発】「馬子にも衣装」という諺がある。この言葉の本筋からははずれるが、馬子“らしい”服を着ると馬子“らしく”なる、という解釈もできる。職業と服装は幼少期から育った環境のなかで観念が固定化する。白衣といえば、医者や看護師を連想する、といった具合だ。ならば、IT・WEB業界人の“らしい”服装とはどんなだろうか。皆さんはどのように思われますか?TIME誌の6月16日号に回答らしい写真が掲載されていました。登場したのは3人。アップルのスティーブ・ジョブズCEO、グーグルのエリック・シュミットCEO、フェースブックのマーク・ザッカーバーグCEOだ。不思議なのはマイクロソフトのビル・ゲイツ氏が入っていないこと。財団活動に入ったので、選に洩れたのかしら。

▼アップルのスティーブ・ジョブズCEO。今、日本ではiPhone人気に沸いている。ソフトバンク社長の孫正義さんが深夜に突然、長い行列に顔を出した。「わーっ」とあがる歓声。この賑わいは1995年のWindows95で成毛眞さんが演じた役柄だ。これまで長い間、ソフトに光が当たっていた。時代感覚的にもソフトが次世代をけん引する感じがしている。それなのに、今なぜハードウェアにスポットライトが当たるのか。なんだか妙だが、新鮮な気分になる。日本では3年先、2011年7月24日から本格的な地デジ時代に突入。もうすぐ世界中がデジタルコンテンツの時代を迎える。

▼ジョブズはデジタルコンテンツのなかでiPodファッションを生んだ。1981年のBCN創刊時から彼をウオッチしている。ジョブズはジーンズ姿だ。グーグルのエリック・シュミットCEOは紺のブレザー、グレーのパンツ、白いシャツにストライプのネクタイで、にこやかに微笑んでいる。キャンパスが似合う学者タイプだ。フェースブックのザッカーバーグCEOは上下がクタクタの衣服で、ずた袋のかばんを袈裟懸け。履物がビーチサンダル風なのが極めつけだ。

▼BCNはクールビズをきっかけに、通年のフリードレッシング制度を始めました。ただでさえ着崩れしたような服装のマスコミ業界にあって、いまさらとのご指摘を受けそうですが…。馬子らしい装いに挑みます。(BCN社長・奥田喜久男)
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