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<ニュースその後を検証>日本HP “デル攻略”で流通網を強化

2009/02/02 15:38

週刊BCN 2009年02月02日vol.1270掲載

●2003年2月17日 vol.978 8面にて報道

 2001年9月、コンパックを吸収合併し巨大コンピュータメーカーに躍り出た米ヒューレット・パッカード(HP)。両社合併は2年後になっても、両日本法人の流通網に影を落としていた。週刊BCN(03年2月17日号)では、日本HPが「デル攻略に向け手綱を引き締め始めた」と報道。

 最近、間接販売体制を強化し始めたデル(当時の社名はデルコンピュータ)は、もともと「Web直販」によるサプライチェーンでサーバー/PC販売を急成長させた。デルの国内参入は間接販売主体の国産メーカーや日本HPを脅かしていた。

 これに対抗するため、日本HPは当時、ハード製品の大幅値下げや注文5営業日で納入するBTO(受注生産)体制の整備、中小リセラーに直接取引枠を新設するなど、デルのシェア拡大阻止に動いた。

 合併騒ぎの間、「直販だけ」を公言していたデルは、日本HPや旧コンパックの販社を浸食し、半ば間接販売をしていた。「日本HP契約販社の看板を掲げるリセラーが、堂々とデル製品を売っているところがほとんど」(日本HPの当時幹部)という有り様で、「流通網」の引き締めが急務であったことが窺い知れる。いま、日本HPから「打倒デル」という言葉は聞かれないが、余裕の現れか?(谷畑良胤)
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