北斗七星

北斗七星 2010年12月6日付 Vol.1361

2010/12/09 15:38

週刊BCN 2010年12月06日vol.1361掲載

▼国内IT業界のすう勢は、クラウドへの転換に向かっている。ただ、手組み開発を得意とする受託ソフトウェアベンダーは除いて、だ。国から「変わる必要がある」との声は聞かれても、ITベンダーの先行きについて具体的に語られることはない。

▼先般、東北のある都市へ出向いた。下請けでソフト開発を行うベンダーが集まるセミナーで講演するためだ。参加者からは「クラウドが主流になって、われわれは生き残れるのか?」と問われ、正直、答えに窮してしまった。

▼それでも、こんな回答は残してきた。「クラウドを実現する技術は未成熟で、そこでソフト開発力を発揮できる場がある」「受託開発は消えないが、大幅に減るので、今もっている技術で新規市場を開拓する」等々だ。

▼最後には「海外進出」を挙げた。過去に受託開発したソフトをパッケージ化し、中国などへ売ることではない。まずは受託開発自体をオフショアへ出し、コスト開発費の低減を図る必要がある。これに関しては、情報サービス産業協会(JISA)からも提言が出ている。下請けを使って儲けてきた大手ITベンダーは、この構造的な問題に真剣に取り組むべきだ。
  • 1

関連記事

JISAの浜口会長 グローバル補完体制へ 業界発展の将来像示す

「クラウドものづくり」を開始せよ

地域のITベンダーによる行政クラウド・モール、2011年4月1日サービス開始

経済産業省 全国ITベンダDB構築へ