いまさら聞けないキーワード

<いまさら聞けないキーワード>アプライアンス

2011/01/06 15:26

週刊BCN 2011年01月03日vol.1364掲載

〈一般的な解釈は…〉ある単一の特定用途の機能をもつ専用ハードウェアのこと。直訳すれば「器具」「装置」「設備」となる。

 複数の機能をもたず、ある機能に特化した専用機器(ハードウェア)をアプライアンスと呼ぶ。IT業界の専門用語ではなく、一般的な言葉だ。専用機器のことを指す言葉なので、コンピュータに限らない。例えば、食品を冷やすことに特化した冷蔵庫や、米を炊く専用家電である炊飯器もアプライアンスに該当する。多くの機能をもたないので利用方法は限定されるが、単一機能であるがゆえに操作が分かりやすいという長所がある。

 IT関連機器では、ルータやファイアウォールなどが代表的なアプライアンスだ。パソコンやサーバーといったハードウェアは、ソフトを複数導入することで、多くの機能をもつことになるので、アプライアンスとは呼ばない。しかし、サーバーでいえば、単一のソフトを事前にセットして特定機能しか利用できない設計された機器があり、それらは「アプライアンスサーバー」と呼ばれる。インターネットのブラウザの要求に応えて情報を発信する「ウェブサーバー」や、電子メールの送受信機能を提供する「電子メールサーバー」、クライアント端末からのアクセスを複数のサーバーに振り分ける「ロードバランサー(負荷分散装置)」などがそれに当てはまる。

 ややこしいのが、最近頻繁に耳にするようになった「仮想アプライアンス」という言葉だ。これはソフトウェアであり、仮想環境を効率よく構築するための専用ソフトを指す。仮想環境を構築するための“専用”ツールという点からアプライアンスという言葉が付されている。

  • 1

関連記事

注目の「仮想アプライアンス」ベンダーはどう売る?