北斗七星

北斗七星 2011年6月13日付 Vol.1386

2011/06/16 15:38

週刊BCN 2011年06月13日vol.1386掲載

▼日本のITメーカーが世界で通用しない理由を、台湾で目の当たりにした。EMS世界最大手のフォックスコン、パソコン世界大手のエイサーなどは、日本で馴染みが薄かった当時から、世界では確固たる地位を築いていた。Lanner、QNAP、FLYTECHという日本で知る人は少ないであろう台湾ITメーカーの幹部と面談したが、一様に世界を視野に入れた戦略を口にする。

▼日本国内で販売中のセキュリティ・アプライアンス製品のハードウェアは、ほとんどがLanner製だ。QNAPは、中小企業向けNASではバッファローに続く世界2位。FLYTECHのPOS端末は名だたるPOSメーカーにOEM供給されている。これらのメーカーは、日本への浸透度が低い。日本市場の魅力が乏しくなっていることと無縁ではなかろう。

▼「グローバル展開」。日本の大手ITメーカーから、この具体策が示され始めたのは、最近のことだ。一方、台湾は外需に頼る特性があり、出発点が日本と異なる。ハード製品で世界へ出る覚悟があるのなら、台湾メーカーに学び、技術ノウハウと連携すれば、「アジア発」の世界戦略製品を打ち出すことができる。(吾)
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