久しぶりに大規模なIT機器の発表会を見ました。セイコーエプソンとエプソン販売が合同で行ったプリンタ新製品に関する記者会見です。時期的には、年末や年度末の企業需要を見込めますので、いまが最適な時期です。両社の社長やタレントなどは出席していませんが、驚いたのは、その新製品の点数です。
エプソンが9月以降に出すビジネス向けの新製品は、インクジェットプリンタとページプリンタの合計11製品。国内のプリンタ業界は、ここのところ回復基調にあり、ラインアップを揃えることで多様な企業の需要を喚起できるとはいえ、エプソンのここ数年を見ていると、“あり得ない数”です。
エプソンは、ここ数年、慎重でした。背景には景気やプリンタ需要の低迷があるとはいえ、“石橋を叩いて渡らない”傾向にありました。それゆえ競合他社の追随にあい、昔のような絶対的な地位を失いつつありました。代理店販売が中心のエプソンは、ここ数年、徹底的に顧客を巡回し、利用環境や要望を聞いて回りました。おそらく、こうした定性データの裏付けがあって、ゴーサインが出たのでしょう。いまから大きな巻き返しがあっても不思議ではありません。(谷畑良胤)
【記事はこちら】
エプソン、ビジネス向けA4プリンタを大幅増強、新製品は一挙11機種発売メールマガジン「Daily BCN Bizline 2011.8.29」より