北斗七星

北斗七星 2011年9月26日付 Vol.1400

2011/09/29 15:38

週刊BCN 2011年09月26日vol.1400掲載

▼9.11。東日本大震災から6か月後、宮城県南三陸町を再び訪れた。5か月前とは様子が一変、津波に潰された家屋や船舶などの瓦礫はかなり撤去が進み、学校などの避難所も閉鎖されて、仮設住宅が高台に広がっていた。とはいえ、「復興」というにはほど遠い。うず高く積まれた瓦礫の山があちこちにあり、依然として「復旧」段階なのだ。

▼それでも、巨大津波から逃れた若者たちが、おらが街の再興に向けて立ち上がっていた。口々に語られる言葉を耳にするたび、この地に必ずや次世代の素晴らしい世界が開けることを実感した。

▼震災後、宮城県のITベンダーらでIT支援を目的に創設した「ITで日本を元気に!」の面々と一緒に仮設住宅を巡回した。全国のIT団体や関係会社から集めた中古パソコンを届けるためだ。テレビはあっても、インターネットで情報収集ができない不自由さを解消する狙いがある。

▼ところが、仮説住宅の厚い鉄板に遮られて、無線通信ができない。対策は打てるはずだが、被災者がネットにつないでパソコンを使うまでには遠い。通信会社の基地局設置が待たれる。(吾)
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