いまさら聞けないキーワード

<いまさら聞けないキーワード>ハイパーバイザー

2011/11/02 15:26

週刊BCN 2011年10月31日vol.1405掲載

〈一般的な解釈は…〉サーバーなどハードウェアの仮想化を実現するソフトウェア。サーバー仮想化ソフト。

 「ハイパーバイザー」(hypervisor)とは、サーバーをはじめとしたハードウェアを仮想化するためのソフトウェアを指す。「サーバー仮想化ソフト」ともいう。

 そもそも仮想化とは、ストレージやCPUといったコンピュータの物理的な資源を仮想的に統合・分割する技術のことを意味する。仮想化を実行するには複数の方式があって、近年、その主流となっているのがハイパーバイザーなのだ。

 ハイパーバイザーは、ソフトウェアによってハードウェア構成を再現し、仮想マシンをつくり出す。OS(基本ソフト)より上位の層から仮想マシンのプログラムを並行実行/制御するので、仮想化を実現するためにOSを必要としない。ハイパーバイザーは、1台のマシンで複数の仮想環境を構築し、さまざまなプログラムを動かすことができる。ちなみに、ハイパーバイザーの「バイザー」を直訳すれば、「管理者」になる。ハイパーバイザーという言葉は、上位(ハイパー)の層からプログラムの動作を管理することから生まれたわけだ。

 ハイパーバイザーには、二つの動作方式がある。ハードウェアの上でプログラムを直接稼働する方式と、他のOSの上でプログラムを稼働する方式だ。前者が主流の方式で、狭義のハイパーバイザーを指している。ハイパーバイザーの主力製品としては、ヴイエムウェアの「VMWare ESX」やシトリックス・システムズの「Citrix Xen Server」、マイクロソフトの「Hyper-V」などが挙げられる。

 ハイパーバイザーの市場は、仮想化によるサーバー集約のトレンドを受けて、活発に伸びている。調査会社のIDC Japanは、国内ハイパーバイザー市場は2015年までにおよそ600億円に拡大すると予測している。
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