北斗七星

北斗七星 2011年12月12日付 Vol.1411

2011/12/15 15:38

週刊BCN 2011年12月12日vol.1411掲載

▼2011年を漢字一文字で表すと「絆(きずな)」だったと実感する。千年に一度といわれる「東日本大震災」の危機を、国を挙げて乗り越える力が生まれた。先行きに不安はあるが、多くの企業経営者には「リーマン・ショックの二の舞はゴメンだ」という意識が根づいた。

▼「想定外」という言葉で逃げてはいけない。想定を超える危機に備え、万全を期すことが求められる。事業継続に必要な体制は、ITなくして実現しない。企業の危機意識が、国内IT需要を徐々に押し上げそうだ。

▼取材で全国を巡回して気づくのは、大震災後に中小企業がITに目覚め始めていることだ。ある経済産業局幹部が言う。「IT利活用の意識が薄かった中小企業が、考え始めた」。日本の労働生産性は先進国中で下位にある。経済を下支えする中小企業でITがうまく活用されていないために、生産性が向上していないのだ。

▼日本の内需は、急速な拡大を望めない。成長著しい新興国などに進出して海外の競合と闘う準備が必要となる。ただ、環境が異なる海外に出るのはリスクが伴う。これを補うのはITだし、業界全体でITも海外対応すべきだ。(吾)
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